子育て世帯の約2割は衣服や食料を買えない経験をしている

教育政策・子どもの貧困対策の専門家としていうならば、低中所得世帯を中心とし「すべての子ども」を対象とする現金給付の拡充、0~2歳の保育サービスの拡充と高等教育の無償化の所得制限緩和など現物給付が十分に充実すれば、日本の親たちは安心して子育てに専念することができるでしょう。

内閣府の子供の貧困指標があきらかにしているとおり、日本の子育て世帯の約2割は衣服や食料が買えない経験のある人々なのです。

とくに厳しい世帯は子どもたちに十分な食事をさせたくても低賃金で、児童手当をはじめとする政府の支援も不十分である、それが日本の実態です。

稼ぐほどに支援が打ち切られる中・高所得層の苦悩

中所得層や高所得層は納税し、年金も払い子どもも育てて国家に貢献しているのに稼ぐほど支援が打ち切られ、苦しんでいる。

そんな親世代を見ていればこそ若い世代は結婚にも子どもを持つことにも不安を感じてしまう、日本はいまそんな子育て罰の国になり果てているのです。

財源も公的支援も不十分なまま「親の責任」だけを強調するような、こども家庭庁ならば、子どもも親も幸せになれるのでしょうか。

岸田政権のもとで、「こども家庭庁」の組織名称のまま、こども政策がすすめられるならば、岸田総裁、野田聖子担当大臣はこのような懸念に対し十分な説明責任を遂行することが求められるでしょう。

またこども庁3要件(財源・人員と子どもの権利保障のための法制)にしっかり取り組むことを発信していく必要があるでしょう。