いま必要なのは超少子化・子育て罰大国のイノベーション

こども庁かこども家庭庁かという名称の問題もさることながら、親にも子どもにもやさしくあたたかいこども政策、子育て支援政策の実現が急がれます。

子育ても介護も同時に経験してきた私自身が、自分の大変な経験を顧みて真剣に思うのは、高齢者の介護政策のような仕組みがあれば、子育ても孤立せず、もっと子どもたちにやさしく関われたのに、ということです。

介護保険制度は国民が広く薄く負担する社会保険により、介護が必要な高齢者に必要な支援を保障していく仕組みです。

私自身がかかわっていてありがたかったのは、選択可能なサービスの幅広さとともに、ケアマネージャーの存在です。

要介護者(高齢者)のニーズを把握し、家族の実態も聞き、生活実態や所得・年金額に応じて利用可能なサービスや公的支援制度を調整くださる重要な役割を果たしておられます。

乳幼児期は母子ともに「要介護状態」

子育て経験者ならお分かりでしょうが、とくに乳幼児期には母も子も高齢者と同じように「要介護状態」になります。

産後も続く痛みやめまぐるしく変わる体調のもとで、夜泣きする子どもの世話をしながら助けてくれる人もなく家事をする、その中で、子どもを虐待したり死を考える親がいることもよくわかります。

また子どもが成長する中で、虐待をしてしまったが本当はしたくない、子どもに言うことをきいてもらえないなど、周囲の人には相談しづらいことも出てくる場合もあるでしょう。

そのような場合に、子どもが乳幼児期から寄り添ってくれた地域のケアマネージャーさんのような専門職が地域で相談に乗り、時には必要な支援につなげる仕組みがあれば、子どもの貧困や虐待もその多くが改善できると思います。

スクールソーシャルワーカーや、乳幼児ソーシャルワーカーといった専門職が、自治体や園・学校に配置され、親子の実態や成長に寄り添いながら伴走型支援をしていく、ケアマネージャーが実現できる日本では決して難しいことではないはずです。