「管理職の仕事」への思い込みをリセットする
【白河】それほどの人数が、上位の仕事への関心が増したと答えているのは衝撃的です。管理職を目指す女性の増加にもつながると思いますが、育休スクラのどんな点がそれを可能にしているとお考えですか?
【小川】例えば「ミドルマネジメントの仕事と役割」という講義では、男性中心だったマネジメント層の手法が、今は時代の流れで変わってきているということをご理解いただくようにしています。管理職になったら部下より早く帰ってはいけないとか、部下を育てるには叱咤激励しなくちゃと思い込んでいる方も多いのですが、今は違います。
上位への関心が増したのは、受講を通して「管理職の役割は、コミュニケーション力を生かして皆が働きやすい環境を整えてあげることなんだ」と気づいていただけているからだと思います。
【白河】育勉セミナーは、当初は御社の拠点である浜松の女性が受講していたかと思いますが、現在、育休スクラの受講者は全国に広がっているのでしょうか。
コロナ禍で一気に全国に展開
【小川】当初からオンラインで行っていたので徐々に広がってはいましたが、コロナ禍以降、一気に全国区になった実感があります。経営メンバーとも、コロナ禍がなかったら浜松発でここまで成長はできなかったよねと言い合っています。
【白河】働く女性の課題を解決するという部分にイノベーションの芽が出てきたところへ、コロナ禍が後押しになったのですね。そうすると、現在、女性人材を支援する事業はさらに広がっていますか?
【小川】企業向けキャリア教育・両立支援プログラムの開発や、地元企業と組んだCSR型育勉セミナー、浜松市と連携した女性人材マッチング事業などもスタートしました。当社は2013年に育勉セミナーを始めて以降、復帰を前提として育休に入る女性が増加しているのを肌で感じ、そうした方々の課題解消にまだイノベーションの余地があると気づいて育休スクラをリリース、という形で成長してきました。今後もまだまだ新規事業開発の余地は残されていると考えています。