【理工学部】

▼情報系

理工系ではコスパ最強である。かつて、システムエンジニアやプログラマなど情報技術産業で働く人は定額長時間労働が常態化しており「きつい、帰れない、給料が安い」の「新3K」などと呼ばれていた。その頃のイメージで反対する父兄もいるが、スキルさえ伴っていれば、現在ではGAFAMなどの外資系企業や、ITフリーランスなど多様な働き方が可能になりつつある。

在宅勤務も一般的になり、ワーキングマザーや地方移住後も就業継続しやすくなった。医療系ライセンスは国籍の壁を超えることが難しく、日本経済が没落すれば道連れだが、IT系はリモートで海外案件を受注することが可能なので、確かなスキルがあれば日本経済が衰退してもサバイバルできる。

▼数学/物理/機械系

理工系全般でプログラミングは鍛えられるので、新卒での有名企業就職は比較的容易である。また弁理士のような知的財産系の資格習得も、女性の生涯就業の観点からお勧めできる。なお、機械系のように女性率が極端に低い学科は、「地味リケジョが将来の夫を見つける婚活場」として有効活用してもいいだろう。

▼建築・土木系

建築士免許は建築学科のみならず土木学科や住居学科(後述)でも取得可能である。有資格者は公務員採用でも一般事務職とは別枠での採用となることが多く有利である。また自宅開業や在宅フレックス勤務も容易になりつつある。ただし構造計算などで高等数学が必須なので、微分積分にアレルギーを感じるタイプにはお勧めできない。

コンパスに安全ヘルメット、建築業界のイメージ
写真=iStock.com/Zephyr18
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▼生物農学系

専攻を生かせる就職先が少ない。特に地方では主に学校教諭(あるいは塾講師)で、それも非正規での雇用が増えている。大学院博士課程まで進学して大学教官・研究者になるのは超狭き門であり、運よく教官・研究者になれても高学歴ワープアのリスクを伴う。そのため、生物系研究者を目指すなら学部レベルではいったん何らかの医療系ライセンスを取得して“保険”をかけた上で、大学院レベルから本格的に研究することをお勧めしたい。

【女子大の理系学科】

あまり知られていないがお茶の水、津田塾、東京女子大などの有名女子大には、「数学・情報科学」系の学科があり就職率も高い。女子大ではないが、国際基督教大学も「情報科学」を専攻することが可能である。いずれも少人数学科なので、きめ細かい教育が期待できる。

一方、東京理科大学などの理工系有名校はハードな教育で産業界では評価が高く就職も良好だが、「大人数教室でドンドン進む数学の授業」「無慈悲に留年させる」というカルチャーのため、のんびりした女子学生だと留年・退学のリスクが高い。

また、日本女子大家政学部には伝統ある住居学科があり、建築士免許が取得可能である。妹島和世(金沢21世紀美術館)、東利恵(星野リゾート)など建築家として活躍する先輩も多い。

「女子大の理系学科」は、総じてリケジョの穴場と言えよう。