慶應義塾大・上智大の偏差値は60~70超だが、看護系学部は50台

▼看護学部

看護師免許とは、平均的学力の女性にとって「収入を得るための努力」のコスパが最も高いライセンスである。近年では慶應義塾大・上智大などに看護系の学部が誕生し、今のところ偏差値は50台と60~70超の他学部に比べればブランド大合格のハードルは低い。

就職は引く手あまたであり、早慶やMARCHの文系女子が1年以上就活に苦労することも珍しくない中、1週間程度でサクッと決めるケースもある。一般事務職よりも給与水準が高いのに加えて、「都内ワンルームマンションが月2万」「職場内保育所」など福利厚生水準も高い(職場による)。出産後の転職やパート転身も容易で、女性が生涯就業可能な代表的職種である。

笑顔の看護師
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▼理学療法士・作業療法士の養成学科

看護師と同様にコスパ良好で、高齢化社会では安定就業が期待できる。近年ではフリーランスで働く療法士も存在する。スポーツ医学と親和性がよいので、「仕事と趣味のスポーツを両立したい」体育会系リケジョにお勧めである。

▼臨床検査技師・臨床工学技士・放射線技師の養成学科

従来は、医療機関において「縁の下の力持ち」的な職種だったが、コロナ禍で「PCR検査」「ECMO治療」の必要性が高まり、その業務遂行役として脚光を浴びた。「接客より黙々と作業するのが好き」タイプにはお勧めである。生物系の研究者を目指す場合も、学部レベルで何らかの医療系ライセンスを取得すると、その後の人生の選択肢が増える。

リケジョのお勧め学部(作成・監修:医師・筒井冨美さん)
▼心理学科

大学で学ぶ心理学は統計学を多用し、実質的には理系学科とも考えられる。「ネットの心理分析」感覚で進学すると統計処理で必要な数学で心が折れる可能性が高い。心理カウンセラーとして働くには、臨床心理士もしくは公認心理師の資格が要求される。その場合、大学院修士課程が必須となることが多く、総学費もそれなりにかかる上、就職先はさほど豊富ではない。特に都心部では供給過剰なので、働く場所やネームバリューにこだわれば「週2回」「1年契約」のような非正規雇用に甘んじるリスクが高い。

また、現在のところ看護師が病院勤務5年間を経て試験に合格すれば公認心理師になるキャリアパスもある(※)。実利を考えれば、看護師からのキャリアアップを目指したほうがコスパ良好かもしれない。

※著者註:現状、看護師が実務経験だけで公認心理師の受験資格を得るのは2022年までの限定的な措置になっているが、今後変更の可能性もあり、実際の進路選択にあたっては日本心理研修センター(http://shinri-kenshu.jp/)のホームページをご確認ください。