さらに、注目すべきは、強者同士・中間者同士・最弱者同士という組み合わせがもっとも多く、全体の半数近い48%を占めます。年の差婚が減って年齢同類婚が増えているという話は以前しましたが(岡村隆史さんの「年の差婚」を羨ましがる中年男性に降りかかる現実)、恋愛力においてもやはり同類婚が多いようです。

一方、夫の方が恋愛強者で妻が弱者という、いわば恋愛力における「弱者女の恋愛下剋上婚」は全体の24%、逆の「弱者男の恋愛下剋上婚」は28%もあります。経済力における上方婚(年収が夫のほうが高い)は2017年就業構造基本調査によれば、30代夫婦で夫の個人年収が400万~500万円の場合、7~8割が夫>妻の年収の夫婦です。それと比べれば、恋愛力ではきわめて男女平等のマッチングとなっています。「破れ鍋に綴じ蓋」ではありませんが、互いの長所と短所を補完し合う形で夫婦となっている例も少なくないのでしょう。

観光地で写真を撮るカップル
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです

強者男女と弱者男女、一番年収が低い組み合わせは…

さらに、実際、夫婦となったカップルの恋愛力によるマッチング別に、夫婦の世帯年収に格差はあるのかについて調べました。前提として、本夫婦調査は世帯年収300万円未満を対象外としています。結果は以下のようになりました。

恋愛強者・弱者別夫婦の世帯年収比較

恋愛力同類婚夫婦の平均世帯年収は760万円。「弱者女の恋愛下剋上婚」(男性のほうが恋愛強者である夫婦)は686万円、「弱者男の恋愛下剋上婚」(女性のほうが恋愛強者である夫婦)の場合がもっとも世帯年収が高く、777万円でした。

つまり、「恋愛弱者夫×恋愛強者妻」による組み合わせ夫婦がもっとも世帯年収が高いということです。これは言い換えれば、あまりモテない男性でも高年収によって、モテる恋愛強者の女性と結婚することができた、と見ることもできるでしょう。結婚においては、経済力が恋愛力を凌駕するのです。

参考までに、2019年国民生活基礎調査に基づけば、核家族世帯の平均年収は約616万円ですが、世帯年収300万円以上の核家族だけに絞ると平均世帯年収は725万円となります。その全国平均を唯一下回るのが、「恋愛強者夫×恋愛弱者妻」の組み合わせです。「色男、金と力はなかりけり」とことわざにあるように、恋愛力と経済力は必ずしも一致しません。