転びやすいかがわかる簡単なチェック方法

一度、重心がどのくらい保たれているのかをチェックしてみましょう。目を開けたまま、片足立ちを何秒間できるのかを調べるだけと、とても簡単です。15秒以上なら重心は問題ありませんが、15秒未満なら重心は不安定でかなり転びやすい状態です。

片足立ち
写真=iStock.com/InnerVisionPRO
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ちなみにこのチェック法は、トレーニングにもなります。片足立ちが何秒我慢できるかを毎日繰り返しているうちに、バランスがよくなってくるからです。ただあまり無理をすると転ぶことがあるので、トレーニングで事故という本末転倒なことにはならないようにしてください。

重心はとても重要ですが、注意が届きにくいかもしれません。重いものが持てなくなる場合は、人は徐々に荷物を軽くしていきます。歩くのが疲れてくれば、次第に歩行距離を短くします。けれども重心が不安定になってきても、階段などバランスをくずしやすい場所に行かないわけにはいきません。ですから階段で急に転んで、そのまま寝たきりになることが多くなります。

目の使い過ぎは全身に不調をもたらす

目も、高齢者の転倒に大いに影響を及ぼします。年を取ると目が見えにくくなりますが、階段などを踏み外してしまうのです。

目は転倒防止において、とても重要です。先ほど、目を開けて15秒以上片足立ちできるかトライしていただきましたが、次に、目をつぶって同じように片足立ちをしてみてください(これは本当に転びやすいので、絶対に無理をしてはいけません)。すると、10秒ももたない人が多いでしょう。人間は目というものを使って自分の位置を確認しながら重心を安定させている、ということがおわかりになったと思います。

特にここ数年は、YouTubeやNetflixなどを視聴する高齢者の割合も高まり、眼精疲労に悩む人が増えつつあります。これにより、目が見えにくくなるのはもちろん、頭痛や肩こりといった不調をもたらす恐れもあります。さらに、運動不足が筋力低下につながり、転倒リスクを高めるという悪循環にもつながるので要注意です。