毎年「即完売」する大人気ぶり
正月の風物詩のひとつである「福袋」――。
これまでは「新年の初売りの象徴」として、お客が店舗で買い求める姿が毎年報道されてきたが、コロナ禍で外出自粛が続く2021年の年明けは、どんな状況になるのか。
福袋を用意する各社の対応もさまざまだ。実店舗での販売ではなく「オンラインでの受注」に切り替え、注文確定後に発送を行う会社も目立つ。
なかには毎年、販売後に「即完売」する人気商品もある。そのひとつが、カフェチェーン最大手「スターバックスの福袋」だ。
かつては先着順に販売したが、2018年から抽選制となり高倍率が続く。2020年は全品オンラインストアでの販売に切り替えたが、申し込みが殺到した。
本稿執筆時は、すでに応募→当選発表を経て、購入手続き(12月14日まで)も終了。当選して購入申し込みをした人は、年明けの商品到着を待つだけになった。
どんな「思い」を福袋に込めてきたのか。同社の責任者に取材を行い、送り手側の思いを中心に紹介したい。
2021のテーマは「環境に配慮&四季を感じられる」
「福袋を通じて、コーヒーを楽しむきっかけをつくり、さらに広げられたらと思って商品設計を考えています。そしてコーヒー関連グッズには、環境に配慮した要素も盛り込んだのが今年ならではです」
こう説明するのは後藤護氏(スターバックス コーヒー ジャパン 商品本部 リテイル&ビジネスディベロップメント部)だ。2019年から同部のリテイルグループ グループマネージャーとして「福袋の商品開発」の責任者も担う。
中身は開けてのお楽しみだが、前回はコーヒーチケットなどのグッズが入っていた。
同社公式サイトの「スターバックス福袋2021」では、すでに中身の概要も伝えられているが、そこに記されていないこだわりも紹介しよう。
「商品が入るトートバッグの生地には、リサイクルコットンを一部使用した綿帆布素材を採用しています。繰り返し使うことができるステンレスタンブラーには『四季の移ろい』をテーマにした限定デザインを施したものを、この福袋限定でご用意しました」
購入者への思いについては、こう続ける。
「タンブラーも使ってコーヒーを楽しんでいただくことで、おいしさだけでなく、少し環境にも配慮した思いをお客さまにお届けしたい。また、外出もこれまで通りとはいかなくなったこの時期に、デザインで四季を感じていただけるのではないかと考えています」
後述するが「外出もこれまで通りにはいかない」には別の思いもあるように感じた。