3.他人ではなく、過去の自分と今の自分を比較するクセをつける

「いいなあ、あの人は。それに比べて自分はなんてダメなんだ」
「他の人が、どうしているか気になる」
「あの人よりはマシだからまあいいか」

など、つい自分と人とを比べて一喜一憂していませんか。人と比べることで奮起して、新しいことに挑戦するなど、行動量が増えるのであれば問題はありません。でも、多くの場合、人と比べることで、嫉妬、焦り、劣等感、自信喪失、慢心、優越感などが湧いてきて、結果的に行動につながらないことが多いのです。

私たちが普通の生活をしているかぎり、仕事でもプライベートでも人との交流は不可欠ですし、現在はSNSを通じて他人の活躍が目につきやすくなっています。そんな環境ですから、つい人と比べてしまうのは、ある意味仕方のないことだとも言えます。

問題なのは「人と比べること」ではなく、それによって感情がネガティブになり、「行動が止まってしまう」ことです。

半年前、1年前、3年前の自分と今の自分を比べる

では、どうしたら他人と比べて一喜一憂せずにすむようになるのでしょうか。方法は簡単。他人と比べるのではなく、過去の自分と比べるようにすればいいのです。

過去の自分と比較することで、自分の成長にフォーカスすることができます。

具体的には、半年前、1年前、3年前の自分と今の自分を比べるのです。

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「半年前、1年前、3年前の自分と今の自分を比べてみて、できるようになったことは?」などと、考えるクセをつけてみてください。そうすると、

・半年前の自分と比べたら、毎朝30分は早起きできるようになった。
・1年前の自分と比べれば、定型業務にかかる時間が半分に減った。
・3年前の自分と比べれば、やりたいことに時間を使えるようになり、毎日が充実している。

など、成長していることが実感できるでしょう。そうすると、「自分もまんざらでもないな」と思えて、行動に着手しやすくなります。

とはいえ、過去の自分と比べて、残念なことに劣化しているという場合もあるでしょう。そんなときは、落ち込むのではなく先のことを考えましょう。

具体的には、「半年後、1年後、3年後、今の自分と比べてどうなっていたいか?」と考えるのです。たとえば、

・半年後には、1日中仕事をしても疲れないくらいの体力がほしい。
・1年後には、英語での業務をスムーズにできるようになっていたい。
・3年後には、結婚して幸せな家庭を築きたい。

たとえ今、うまくいっていなかったとしても今の自分と未来の自分とを比較することで、自分を卑下することなく、未来への希望や展望を描くことができます。

人は、実現したい未来がはっきりすれば、それに向かって動きたくなるものです。人と比べずに、自分と比べることで劣等感や優越感にひたることなく、自分の成長にフォーカスして行動できるようになります。

ここがポイント
過去の自分と比べてどれくらい成長しているかを把握すると「未来の伸びシロ」も見つけやすくなる。
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