なかなか行動に移せない人に共通すること
「すぐやる人」は、「私にはできる・できた!」というポジティブなゴールイメージを自然と描いていることが多く、結果的にイメージの力をうまく使っています。
一方、つい先延ばしにしてしまう人は、「できない」「難しい」「失敗したらどうしよう」というネガティブなイメージを描いていることが多いのです。
「あと10歳若ければ」「時間さえあればできるのに」「お金に余裕があればなぁ」「あのとき、もっと勉強しておけばよかった」という考えも同じです。
できないイメージを描いたとたん、私たちの脳は、やらない理由、すぐ動かないことを正当化する理由を無意識に探し始めます。こうなると、よほどの目的があったり、鋼のメンタルの持ち主でなければ、動くことはできません。
このように、ネガティブイメージは、行動を阻害する大きな要因になるのです。
こう考えると、「すぐやる人」になるためには、「できる」、さらに言えば、より具体的な「できた!」というポジティブイメージを持つことが重要だとわかります。
その結果、「できるか・できないか」ではなく、「どうしたらできるか」「どうしたらよりよくなるか」といった点に意識が向くようになるので、物事が前に進むようになるのです。
ここまで読んで、「それは、その人の性格によるのでは?」「私はネガティブ思考だから無理」と思った人もいることでしょう。
しかし、冒頭で書いた通り、これは性格や能力の問題ではありません。物事の見方を少し変えるだけでも、自分の持つイメージをネガティブからポジティブに変換していくことは可能です。
本稿では、その方法についてお伝えしていきます。
1.結果に振り回されそうなときは、「打率」で考える
結果や成果に一喜一憂しすぎていませんか。好調なときはいいのですが、不調のときは結果や成果にこだわりすぎると、あきらめたり、落ち込んだりして行動が止まってしまいます。そんなときは、「打率」で考える癖をつけましょう。
プロ野球の平均的な打率は2割5分程度で、3割を超えると一流と言われています。結果が出ないとすぐ落ち込んでしまう人は、8割打とうとしていませんか?
仕事でもプライベートでも、5回に1回ヒットを打てれば、残りは三振やゴロでもいいと考えてみる。つまり、自分が行動したことについて5回に1回思い通りになっていれば十分だし、3回に1回思い通りにいくのであればプロ並みにすごいと考えてみるのです。
コツは、1週間、1カ月、半年といった期間で物事を考えることです。一定期間の結果、成果の打率をチェックすることで、冷静に次の一手を考えられるようになります。
このように、自分のことを広い視野で、全体を見ることを「俯瞰」と言います。この俯瞰の視点を身につけることで、目の前の結果、成果に一喜一憂することなく、行動を積み重ねていくことができるのです。
5回に1回ヒットを打てればOKと捉えて、毎日バッターボックスに立つ。