国民の信頼を取り戻す政治を実行してほしい
9月30日付の産経新聞の社説(主張)は「岸田氏は当選後、『生まれ変わった自民党をしっかりと国民に示し、支持を訴えないといけない。総裁選は終わった。ノーサイドだ』と語った」と書いたうえで、こう訴える。
「世論調査で自民の支持率は上昇傾向にあるが、同党や岸田氏が忘れてはならないことがある。菅義偉政権が、新型コロナウイルス対策の不手際から国民の信頼を失ったという点だ」
「岸田氏は『(総裁選の)政策論争を通じて国民の信頼を回復する』と述べていた。これからは政策遂行で信頼を集めてほしい。そこで最も重要となるのは、危機の時代にあって、国民を守り抜く政治を行うことだ」
沙鴎一歩は菅首相の新型コロナ対策のすべてが「不手際」とは言わないが、変異ウイルス大流行の兆しがあるにもかかわらず、東京オリンピック・パラリンピックの開催を強行して感染拡大を招いたと考えている。
産経社説が主張するように岸田氏には国民の信頼を取り戻す政治を実行してほしい。
産経社説は続けてこう主張する。
「世界は今、東西冷戦終結以来30年ぶりの大変動期にある。覇権主義的な中国、核・ミサイル戦力の強化を進める北朝鮮の脅威に日本は直面している」
「嵐が吹き荒れる国際社会で『日本丸』の舵取り役を務めるという自覚が求められる。温厚な人柄で知られる岸田氏だが、外交安全保障は笑顔で握手するだけでは済まないことは分かっているはずだ。国家国民を守るため、時には厳しい言葉や力強い態度で臨むことも必要である」
対中国と対北朝鮮。同盟国であるアメリカと力を合わせてこの難局を乗り切り、国際社会での日本の地位を高めるべきだ。ピンチはチャンスでもある。
それにしても、今回の産経社説は切れ味が鈍かった。朝日社説や毎日社説のように岸田氏の言動や安倍氏の行為を突いてほしかった、と思う。