支店長昇進の関門は1日缶詰めのマネジャー・アセスメント

エリア戦略の展開の要となる支店長は、多いところで160店舗を統括する。全社政策に基づいてエリア戦略を策定し、遂行するためにSVをまとめ上げるマネジメント力も要求される。支店長に昇進するには、実績を踏まえた支社長の推薦が必要になるが、最終関門として全社共通のモノサシである「マネジャー・アセスメント」で合否が下される。

これは本社の課長職候補者に対しても実施され、1日缶詰め状態で厳しくチェックされる。

「支社長から推薦を受けているので当然、業績もよく、やるべきことができている社員ばかりであるが、最終確認を本部で行っている。一定の課題を与えて6人でまとめ上げていくという擬似的な環境を設定し、それぞれが支店長・課長であればどういう戦略を練り、判断するのか。あるいはどこに気を使う人なのか、プレゼン力、コミュニケーション力など多角的視点からアセスメントしている」(日野人事企画部長)

当日は客観性を確保するために外部のアセッサーも参加する。アセスメントの期間は1日であるが、精度を向上させるために3日間かけて行うことも検討している。

ところで女性と外国人を積極的に採用しているが、女性を半分採用した05年入社組で最初にSVに昇進した社員は6人。うち5人が女性という。08年から採用をスタートした外国人社員は主にSVのアシスタントないしは商品部や海外事業グループなど本社スタッフとして活躍している。

現在、小売業各社の海外進出が相次いでいるが、コンビニ業界も成長市場であるアジアでの出店を加速している。ローソンは1996年に業界として初めて中国・上海に進出し、現在、合弁企業を通じて315店舗を展開する。また、昨年4月には内陸部の重慶市に100%子会社を設立。同社の新浪剛史社長の陣頭指揮の下、15年までに300店舗の出店を見込んでいる。

当然ながら海外の人材マネジメントと活躍できる人材の養成が重要になる。日野人事企画部長は人材マネジメントにおいて2つのフェーズを想定する。