<strong>作家 逢坂 剛</strong>●1943年、東京都生まれ。中学時代から小説を書き始める。『カディスの赤い星』『暗い国境線』など著書多数。
作家 逢坂 剛●1943年、東京都生まれ。中学時代から小説を書き始める。『カディスの赤い星』『暗い国境線』など著書多数。

私は中学、高校時代に物語めいたものを書いては友人に読んでもらっていた。「君には文才がある。小説家になれ」といわれたこともあった。しかし、小説で食べていこうとは思わなかった。

大学卒業とともに入社したのは広告会社の博報堂で、企業PRの仕事に没頭した。30代になって本社の広報室へ異動すると、勤務状況がわりと規則的になり、週休2日制へ移行したことで、自分の時間に余裕が持てるようになった。すると「久しぶりに書いてみるか」という意欲がわいてきた。