海外のトレンドをいち早く日本人向けに提供

アプリを立ち上げるとトップに表示される「from MUJI」にレコメンデーションされている商品は、これまでの閲覧履歴や決済データをもとにしていると思われ、データの活用も進んでいます。さらに、各商品に「いいね」ボタンがあり、「いいね」された回数やこれまでの売上を新たな商品開発につなげていることも推測できます。つまり、データを新商品の開発にもつなげているのです。

無印良品 渋谷西武
写真=iStock.com/winhorse
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単にポイントを貯めるだけでなく、ポイントを獲得するにつれて顧客のステージがアップしていく、ロイヤリティの向上につながる仕組みも素晴らしいと思います。

多くの日本企業でデータ活用が進んでいない中、なぜ良品計画はできているのか。

多くの情報を開示していないため、あくまで推測ですが、トップも含めた会社全体のトレンドに対する感度が高いからではないでしょうか。

海外志向も強く、米国や中国などでも積極的に出店していますから、海外で得たトレンドやデータをいち早く分析し、日本人にマッチしたサービスとして提供することもできるのでしょう。そして、そのようなサービスを開発・実装できる体制も、外注に頼り切らずに、できていると思われます。

アマゾンよりも選ばれているヨドバシカメラのサービス

同じように、多くの情報を開示していませんが、データ活用やオンラインとオフラインの融合をうまく進めている企業に、ヨドバシカメラがあります。

ECで購入した商品の無料配送や店舗での受け取りといったこともそうですが、特筆するべきは、東京23区内と一部の該当エリアであれば、注文したその日に送料無料で商品が届く「ヨドバシエクストリーム」というサービスです。これが理由で、アマゾンよりもヨドバシカメラをよく利用する人も多いと聞きます。

アマゾンへの対抗策だとは思いますが、いくらアイデアがあったとしても、優秀なエンジニアや配送スキームが整備されていなければ実現できないサービスです。