「2000万円も援助した」38歳長女に母がもう1円も渡したくないワケ

母親は、実は長女に対して、あまりいい感情をもっていないと話してくれました。もちろん、娘ですからかわいいことはかわいいし、だからこれまでも、いろいろと援助してきたそうなのですが、援助の額が多すぎて、もう1円もやりたくないという気持ちになることもあるようです。

長女は、快活で学校の成績もよく、両親が仕事の忙しい時には家事を積極的に手伝ったり、妹の世話を焼いてくれたりと、自慢の娘でした。ただ、大学を親に相談なく中退し、親の知らないうちに結婚。結婚相手は転職を繰り返して収入が安定しないらしく、少し大きな買い物をする際は、長女が必ず実家に無心しに来たと言います。

自動車は、長女の軽自動車だけでなく、結婚相手の車の代金を出してやったこともあるそうです。仕事でどうしても必要だからと言われ、亡き夫は、結婚式の援助の代わりと思うことにすると言って、その時は300万円ほど援助してやっていました。

夫婦でやっていた工務店の仕事の忙しさにかまけ、また、長女が小さい頃から家事などをお願いすることが多く、もしかしたら、長女に寂しい思いをさせたり、大きな負担をかけたりしていたのかもしれないと夫婦で話し、できる援助はしてやろうと話し合いました。

その結果、複数回の車の購入費用、自宅購入費用、結婚相手の親御さんの葬儀のために急遽帰省する費用の援助など大きめの援助だけで1500万円は超えているようです。卒業証書を手にすることのなかった大学費用は300万円ほど。そのほか、時に生活費が足りないというような数万~10万円程度の援助を含めると2000万円くらいにはなっていると思うとのことでした

1万円札
写真=iStock.com/PaaTon
※写真はイメージです

5年前に他界した父親、残された母親の持つ資産はしめて6000万円

ここで家族構成と資産状況を整理してみます。

【家族構成】
母(相談者):65歳
長女:38歳、結婚して配偶者と隣市在住、子どもはいない
次女(本人):35歳、離婚後実家暮らし、子どもはいない
父:5年前に死亡、生前は工務店を経営
【資産状況】
母:預貯金4000万円、不動産2000万円
(内訳)夫相続前からの預貯金2000万円
夫の相続(預貯金1000万円、自宅2000万円、生命保険金1000万円)
長女:父の相続500万円、その他不明
次女:父の相続500万円、結婚前からの預貯金300万円
【家計状況】
収入 母:78万円(公的年金)
60万円(個人年金70歳まで)
次女:0円(手芸販売の売り上げ1~2万円あるが家計に入れていない)
支出 基本生活費:240万円