就活時に面接官から自己否定されるような発言をされ続け、心が折れた長男は自室に閉じこもった。「自分はダメ人間。みんなそう思っている」。人の視線が気になり、物音にも敏感に。そのうち、窓の外から監視されているという妄想にも襲われた。その症状を訴えたにもかかわらず、親は「放っておけばよくなる」と病院での診察を受けさせなかった。その後、約15年。40歳になった長男は診察の結果、統合失調症で認知機能の低下も認められた――。
70歳母の苦悩「42歳長男はもう一生働けません」
「長男は42歳、もう一生働くことはできないでしょう」
そう言い切る母親の顔には疲労の色が濃く浮かんでいました。しかし、長男は40代前半。まだまだ挽回できる年齢です。そう感じた筆者は次のような質問をしてみました。
「正社員でフルタイム勤務は難しいかもしれませんが、パートやアルバイトの就労はどうでしょうか? 49歳までなら就労支援などのサポートも充実していますし、諦めるのは早いかもしれません」
それに対し母親は首を小さく左右に振るだけ。長男の就労はかなり厳しそうだ、ということが伝わってきました。
現状を把握するため、筆者は家族構成などから伺うことにしました。
【家族構成】
母親 70歳
長男 42歳
父親は2年前に死亡
【家族の収支と財産】
母親の老齢年金および遺族年金 月額約18万円
生活費など 月額約18万円(※)
※年金収入の範囲内生活するよう努力しているが、赤字が出る月もあるとのこと
預貯金 400万円
自宅の土地 1200万円
母親 70歳
長男 42歳
父親は2年前に死亡
【家族の収支と財産】
母親の老齢年金および遺族年金 月額約18万円
生活費など 月額約18万円(※)
※年金収入の範囲内生活するよう努力しているが、赤字が出る月もあるとのこと
預貯金 400万円
自宅の土地 1200万円
母親は今回の相談内容について語りだしました。
「長男は働いて収入を得ることが難しく、わが家にはお金に余裕もありません。親子ともお金に不安を抱えています。そこで長男の通院先の医師に相談したところ、障害年金を請求するよう勧められました」