ところが、肝臓は実に働き者です。食後、体に入ってきた栄養を、体内で必要なエネルギーに変えたり、余分なエネルギーを蓄えたり、食べものに含まれていたアルコールやアンモニアなどの毒素を処理したり、脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作ったり……。

肝臓は、さまざまな役割を一手に担っています。そのため、食事の間隔が短く、次から次へと食べものが入ってくると、肝臓はフル回転で働かなければならず、どんどん疲弊していきます。

疲れにより肝臓の機能が衰えると、本来肝臓で解毒されるはずの毒素や老廃物が体内に残ったり、作られるエネルギーの量が減ったりするため、体が疲れやすくなります。また、肝炎や脂肪肝、肝硬変、肝臓がんなど、肝臓自体の病気や障害が引き起こされたりするおそれも出てきます。

一日3食のもうひとつのデメリット——「食べすぎ」

一日3食の弊害としては、ほかに、「食べすぎを招きやすい」ことが挙げられます。決まった時間に食事をとることで、食べすぎに気づきにくくなってしまうのです。

たとえば、「前の食事でたっぷり食べたから、今は体がエネルギーをあまり必要としていない」というときもあるでしょう。この場合、空腹を感じるまで待ってから次の食事をとればよいのですが、決まった時間に食べることが習慣化していると、「今、空腹かどうか」「体がエネルギーを必要としているか」といったこととは関係なく食事をとるため、結果的に「食べすぎる」ことが多いのです。

しかも、胃には伸縮性があり、食べた量に合わせて膨らんでいきます。ふだんから慢性的に食べすぎている人の場合、「胃が膨らんでいる状態」が当たり前になっていて、「本来、体が必要としている量」以上の食べものも、どんどん受け入れてしまいます。そのため、よほど無理に食べものを詰め込まない限り、食べすぎていることに気づきにくいのです。

太った腹を気にする男性
写真=iStock.com/kuppa_rock
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食べすぎは、DNAや細胞を傷つける

みなさんもご存じのとおり、食べすぎは、体にさまざまな影響をもたらします。食べる量が多ければ、消化するのに時間とエネルギーが必要になり、どうしても胃腸や肝臓などに負担がかかります。

また、食べすぎは、体内の活性酸素を増やします。活性酸素が必要以上に増えると、体の細胞が酸化されたり傷つけられたりするため、がんや糖尿病といった生活習慣病や脳疾患などにかかりやすくなり、細胞の老化も進んでしまいます。