なぜ正式なプランは役に立たなかったか
柔軟なビジネスプランが成功のカギとなった一例を挙げよう。リース・パチェコと共同創業者たちは、2007年にゲーム動画の編集・シェア・サービス事業、ホームフィールドを立ち上げた。出資を依頼するために投資家を訪ねて回ると、最初のうちはよく、ビジネスプランを送ってくれと言われた。
パチェコは労力を注いで正式なプランを作成した。が、彼が時間をかけて作成したプランは、2週間後にはもう当を得たものではなくなっていた。
そのうちパチェコは、事業に興味を持ってくれる人たちはプランに頓着しないことに気づいた。彼らは彼の説明となぜその事業に情熱を注いでいるのかを聞きたがるだけだった。
パチェコは正式なビジネスプランは現実的でないと判断した。
「投資家の関心が持続する期間はどんどん短くなっている」。それにどんな5カ年予測よりもホームフィールドが獲得している顧客が、同社に成功する力があることの確かな証拠である。だから今では、パチェコは柔軟で修正しやすい6ページのパワーポイントのデッキを使っている。
ホームフィールドの目的は「関係を築くこと」であり、パチェコと同僚たちがユニークなアイデアを実行するのにうってつけの人間であることをプレゼン相手に納得させることだ。これまでのところ、彼らの革新的なビジネスプランのおかげで、それはうまくいっている。
(翻訳=ディプロマット)