「戦略の構築と実行は別」とされてきたが……

最高にすばらしい戦略でも、現場社員、とりわけ日常的に顧客と接するような最前線の社員がしっかり実行しなければ何の役にも立たない。残念なことに、社員たちは普通、他人によって策定され、自らは十分理解しておらず、ましてや責任やつながりなど感じていない戦略を実行するよう求められるものだ。

実際、バランスト・スコアカード(経営戦略立案・実行評価のためのフレームワークの一種)の考案者、ロバート・キャプランとデビッド・ノートンによれば、自社の戦略について理解している社員は5%しかいない。このことが、戦略の効果的な実行をほぼ不可能にしているのである。