水ビジネス商品の「3つの特徴」

最後に、ここでは世にあふれる水ビジネス商品の特徴を述べておきましょう。

水ビジネス商品には、アルカリイオン水、π(パイ)ウオーター、磁化水(磁石を使って磁化処理した水)、電気石による水(創生水)、波動水、酸素水、水素水、シリカ水、宝石水、電子水、微生物の発酵生成物から成分を抽出した水などがあります。

水を売る場合も、水に入れる物質を売る場合もあれば、整水器、活水器などの製造器を売る場合、「波動カウンセリング」と称することをして波動水(波動共鳴水)を売る場合など多様です。

ニセ科学商品の中の水ビジネス商品は、次のような特徴があると考えています。

・「水を飲む選択肢」以外に、十分な根拠のある効果効能をもったものがない
・中身のほとんど大部分は水道水や地下水なので、ほかの健康食品・サプリと比べるとずっと副作用が少ない (だから問題になりにくい)
・原価は非常に低いが販売価格を高額にしやすい

もっとも安全性が高いのは水道水

健康によいとする水の販売側は、水道水の危険をいいます。

しかし、飲み水でもっとも安全性がしっかりと調べられているのは水道水なのです。いわゆるミネラルウオーターというボトル水は、水道水と比べると調べられている成分数はずっと少ないです。

基本的に飲んで害がなければよいというだけです。水道水は毎日飲むものに対して、ボトル水はたまに飲むものということで、調べ方が違うのです。ただし、水道水も原水の水質と処理方法によってレベルの違いがあります。

水道水
画像=iStock/sonsam
※写真はイメージです

かつて、大都会の水道水はまずかったです。家庭排水などがたくさん流れ込んだ川の水を原水にして、塩素を使って汚れを分解する急速ろ過法でした。そのとき汚れの成分と塩素が結びついて独特なにおい物質がふくまれていたのです。

そこで、塩素ではなくオゾンを使って汚れを分解する高度な処理方法に変更しました。そのようにしてつくられた水道水とミネラルウオーターを、同じ温度に冷やして飲み比べるともう差がないものになりました。