子どもの頃の体験が社会を生き抜く力を作る

子どもの頃の体験とへこたれない力の相関を測った研究があります。

国立青少年教育振興機構・青少年教育研究センターが行った「子供の頃の体験と社会を生き抜く資質・能力の関係」という研究では、「へこたれない力」「意欲」「コミュニケーション力」「自己肯定感」を、社会を生き抜くために必要な資質・能力と位置づけて、家族行事やお手伝い、友達との外遊び、学校での委員会活動や部活動などをどのくらいしていたかと、それぞれの力の相関を測っています。

中曽根陽子『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(青春出版社)
中曽根陽子『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(青春出版社)

この調査では、「家族行事」(家庭)、「友達との外遊び」(地域)、「委員会活動・部活動」(学校)を多くしていた人ほど、社会を生き抜く資質・能力が高いという結果が出ました。

さらに、家庭、地域(放課後や休日)、学校での体験の質とへこたれない力の関係をより詳しく見ていくと、子どもの頃、家族でスポーツをしたり自然の中で遊んだりした人ほど、失敗してももう一度挑戦する「へこたれない力」が高いこともわかったのです。

家族と一緒に遊んだり、スポーツをしたり、学校での課外活動をする中で、うまくいかないことを乗り越えた体験やそのときに感じる喜び、夢中になって楽しかった記憶が、大人になって、多少の困難なことに出合っても、へこたれず前を向いて生きていける力の源になっているのでしょう。

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