国民不在のまま、政権復帰後最大の政局モードに
もちろん菅氏も、このまま終わるつもりはない。次なる奇策として、安倍内閣、菅内閣に批判的だった石破茂氏の要職起用を検討しているという観測もある。挙党態勢をアピールして求心力を回復しようという狙いだ。
その一方で、9月6日にも断行するという党役員人事さえも、菅氏は行えないとの見方がある。菅氏が総裁選で勝つことが見通せないなら、そこで執行部や閣内に入るというのは泥舟に乗るようなもの。辞退者が続出するという見立てだ。
いずれにしても自民党は、2012年に政権復帰してから最も激烈な権力闘争に突入した。展開は刻々と変わっていくだろうが、国民としては、喫緊の課題である新型コロナウイルスへの対応が今よりも遅れないことを願うしかない。