電気料金の明細に「再エネ賦課金」という見慣れない項目があるのをご存じだろうか。「EnergyShift」発行人の前田雄大さんは「電気代は基本料金のほか、『再エネ賦課金』が徴収されている。平均的な家庭では月1300円程度だが、これは2030年まで上がり続けることが決まっており、家計の圧迫は避けられない」という――。

省エネをしても電気代が安くならないワケ

夏真っ盛りのこのシーズン。連日のように30度以上の真夏日が続き、寝苦しいと感じる夜も増えた。そこで欠かせないのがエアコンの冷房だが、後日、電気代の請求額に驚き、もう少し省エネしておけばよかったと後悔することも多いだろう。

どうせ電気代を支払うなら安く済ませたいが、実際は省エネだけではなかなか難しい。原因の一つは、電気料金に上乗せされた“ある料金”の存在が挙げられる。

それが再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)だ。

私たちが支払っている月々の電気代には、電力会社に支払う電気料金の他に、この再エネ賦課金が含まれている。電気明細を見るとしっかりこのように書いてある

検針表のサンプル
画像=経済産業省 資源エネルギー庁「固定価格買取制度とは」より

この再エネ賦課金は、消費者がどの電力会社と契約していようとも、一部の大量電気消費している企業の特例を除き必ず支払う必要がある。

2021年度の単価は1kWhあたり3.36円。契約者数が最も多い東京電力の従量電灯Bプラン(120kWh~300kWh)の単価が26円台であるため、10%以上もこの再エネ賦課金が電気料金に上乗せになっているのだ。

一般的に、4人世帯の電力消費は月平均400kWhと言われている。その条件だと電気料金に上乗せされる形で、各家庭は月1300円程度、年間約1万5000円を負担している。