そんな上司を守る会社に用はない

とはいえ、例えばこの部長が社長のお気に入りで、社内で絶大な権力を持っている場合などは、たとえクライアントからクレームが入っても、会社は部長を守ろうとする可能性もあります。

その結果、あなたはダメ社員のレッテルを貼られて、会社に居づらくなってしまった。では、どうするか?

仮にそんな結末を迎えたのであれば、今の会社にしがみつく必要はないでしょう。さっさと転職すればいいのです。

晴れやかな顔で職場の荷物を抱えて退社する男性
写真=iStock.com/SeventyFour
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大損失を計上したということは、この海外進出プロジェクトはそれなりの規模で、会社としても一大事業の決意でチャレンジしたのでしょう。そこに中心メンバーとして参画したのですから、結果は失敗だったとしても、貴重な学びを得て大きく成長できたはずです。

スキルがあれば「いざとなったら出ていく」と思える

転職活動の際にこの経験をレジュメに書けば、実績としてアピールできます。「コロナ禍による環境変化で損失は出しましたが、海外における顧客開拓や組織マネジメントについてこれだけの実績を出せたので、この経験をより活かせる職場を探しております」などと説明すれば、自分を必要としてくれる会社がどこかしら見つかります。

対上司の人間関係に悩むのは、自分が今の会社やポストにしがみついている証拠でもあります。だから「上司ににらまれたら、自分は組織から切られるかもしれない」とびくびくするのです。

でも自分の足で立てるだけのスキルと心構えがあれば、上司に責任を押しつけられても、「いざとなったら、こんな会社は出ていけばいい」と割り切れるので、余計なストレスを抱えずに済みます。

会社に従属せず、どこでも生きていけるだけの実力を備えること。それがビジネスパーソンにとって、自分を守る最大の武器になります。