これら3つのステップを経て戦略が明確になり、それがトップチーム内で共有化され、意思決定のスピードが向上し、社員に対する一貫性のあるメッセージが発信できるようになる。トップチームとして機能し、トップチームメンバーの意識向上にも繋がるわけである。

社会組織心理学の第一人者であるハーバード大学教授リチャード・ハックマン氏は、「デキるチームには5つの基本条件がある」と述べている。

それは第1に「真のチームであること」、第2に「揺るがない方針を持つこと」、第3に「チーム力が高まる構造を持つこと」、第4に「チーム力が高まる制度づくり」、そして第5に「適時・適切なコーチング体制」があることである。

チームのなかでもことにトップチームにおいて、こうした基本条件が揃っているかどうかは大きな意味を持つことになる。それによって、組織風土も業績も大きく影響を受けるからである。

EUのような広域内連合は常に「同床異夢」のチャレンジがある。欧州人はそのことを理解したうえで、「汎欧州」としてのベネフィットを得るために、EU拡大やユーロ導入を欧州の施策として実施している。

古代より何度も国境が書き換えられてきた欧州では、リーダーは政治的決着を見据えて常に現実的にならざるをえず、日本や米国とも異なる統治スタイルが文化として存在している。

特に「米国型」との違いは「Yes or No」の論理だけでなく、日本と共通する例外を認める「寛容さ」を有している点であろう。ユーロは欧州最大の通貨であるが、欧州の大国である英国がこれに加入していないのは顕著な例である。