トップチームを機能させる3つのステップ
仮に図3のように「有能なメンバーの揃ったトップチーム」(日本人1名、欧州人5名)が出来上がったとしても、これは必要条件にすぎない。グローバルに活躍する欧米の欧州企業と互角に戦ってゆくには、「いかに機能するか」という十分条件をクリアしなければならない。
現地企業では、“多国籍のメンバーから構成されるトップチームでのコミューニケーションが悪い”“意思決定は遅れ、メンバーによって異なるメッセージが社内に発信される”“全社的に戦略遂行のベクトルがあっていない”という壁にぶつかっている。
そこで小社では、「トップチーム力向上プロジェクト」というコンサルテーションを行っている。
トップチームは欧州全体をマネージするうえでは望ましい「経営人材のプール」になっているにもかかわらず、上記問題を抱えているケースが多い。このような場合の解決策としては、以下の3つが考えられる。
●経営陣協働による戦略構築ワークショップの開催
経営陣メンバーの意識の「ずれ」を是正するため、経営陣メンバーの経営の方向性を確認する場を定期的に設ける。コンサルタントによる「チーム・コーチング」を通じ、主体的な「真のチーム」であり続けるようにベクトルを合わせる場が必要となるからだ。
●経営陣自身によるバリューの再構築
ワークショップを通じ、経営陣の各自が既成概念にとらわれたり、各部門の利害代表者であることなく、常に変化するクライアントやマーケットのニーズに合った価値を提供する経営になっているかを確認し、必要であれば修正を行う。日本企業に多く見られる「以心伝心」によってではなく、経営陣全員で経営意識の共有化を図ることができる。
●経営陣自身によるチーム体制再構築(役割分担)
再構築された自社のバリューを経営に落とし込む際に、各経営陣が明確な役割分担を行い、経営で決定した戦略オペレーションへの徹底した「落とし込み」を図る。そしてまた課題が生じた際には、より適切な経営対応ができる。これにより「真のチーム」として柔軟かつダイナミックな経営が可能となる。