サッカーの元日本代表で現在は川崎フロンターレFROの中村憲剛さん。小さい頃からサッカーに没頭したが、学校の授業も全集中で臨み、手抜きをしなかったという。両立できた背景にあったもの、それは父親が「勉強しろよ」と言わない代わりに息子に放った、ある“怖い言葉”だった――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021年夏号』の一部を再編集したものです。

川崎フロンターレFROの中村憲剛氏
画像=『プレジデントFamily2021年夏号』
川崎フロンターレFROの中村憲剛氏

元日本代表MF・中村憲剛「子供時代はマンガ、今は“本の虫”です」

子供の頃はサッカー漬けの生活で、本を読む時間などはありませんでした。

例外はマンガです。10歳年上の姉の影響もあって、『キャプテン翼』を夢中になって読んでいました。主人公の翼クンは、勝ち続ける男です。自分も同じようにサッカー界を駆け上がっていくんだと思っていましたが、現実は厳しい。「翼クンは特別だ」って、僕は早々に気づきました(笑)。

でも、翼クンの前向きな姿勢やチームメートと一緒に成長していく過程は読んでいて熱くなったし、彼らの姿勢は自分のプレーについて考えるヒントにもなりました。やはり『キャプテン翼』は、サッカー人生の入り口をつくってもらったバイブル的な作品です。

余談ですが、プロ選手になってから作者の高橋陽一先生に会えたのはとても嬉しかったです。僕の人生の夢がひとつかなった瞬間でした(笑)。

小学4年生の頃から連載が始まった『スラムダンク』も僕のココロのど真ん中にはまりました。単行本化されるのを待ちきれず、毎週「週刊少年ジャンプ」を買って、むさぼり読んでいましたね。基本、スポーツものは明るくて爽やか、読んでいて気持ちがいいじゃないですか。当時の多くの少年少女と同じように、読んで元気をもらっていましたね。

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