なぜ、本をたくさん読むとサッカー選手としての一皮むけるのか
読書は、文字で読んだものを脳で映像に変換する作業を伴います。これって、サッカーにおける創造性と通じるんですね。創造力を鍛えれば、プレーを組み立てる能力も上がる。さらに、読書によってボキャブラリーが豊富になります。語彙を増やして、表現力を鍛えることも、サッカー選手にとって大事なことです。
サッカーは試合中の瞬間瞬間に局面が切り替わるスポーツなので、チームメートに指示を出すときは、短いワードでズバッと要点を伝えなければならない。また、連係プレーの質を高めるためには練習や試合後のコミュニケーションが必須ですが、ここでは自分の頭の中にあるプランを的確な言葉で相手に伝えなければなりません。試合で良い連係プレーを実践するには、言語化することで相互理解を深める必要もあるのです。
そういう意味で、サッカーをやっている子供たちは、絶対に本を読んだ方がいいと思います。マンガでも教科書でも、とにかく活字に触れてほしい。
サッカーは今後ますます戦術的に高度になります。足元の技術がめちゃくちゃ高いとか、シュート力がすごいとか、飛びぬけた才能の持ち主でも、どこかで壁にぶつかるときが来ます。それを乗り越えて次のステップに進むには、本を読むことで鍛えられる創造力や言語化能力が助けになると強く思っています。
わが家の長男も今はサッカー漬けの毎日ですが、「本はいいぞ」とは伝えています。
(構成=小桧山想 撮影=市来朋久)