多くの妻は出産後に貯蓄を取り崩している

最後に30代共働き夫婦へ私からのアドバイスがある。特に夫は心して読んでいただきたい。

これまで見てきたように、子どもが誕生すると妻の収入は大幅にダウンする。出産後の妻は、共働きとして担当している家計費を以前と同じように負担するのは難しい。さらに担当しているのが食費・日用品など、家族が増えると金額が増す費目だと、出産前より支出が増えることも。

出産による収入減と担当する費目の支出増。多くの妻は、夫に「負担金額の見直しをしようよと言ってほしい。こちらから申し出をしなくても察してほしい」と思っている。しかし、ほとんどの夫は、気が付かない(ぼんやりさんなのだ)。

では、妻は出産後の収入減と支出増をどう対処しているのか。多くの妻は夫に言い出せなくて、貯蓄を取り崩しているのである。

かち割られた豚の貯金箱
写真=iStock.com/malerapaso
※写真はイメージです

住宅購入の前には複数パターンでの試算が不可欠

私のもとにFP相談に訪れた際、「昨年貯蓄できた金額」をそれぞれに質問するのだが、妻は「子どもが産まれてから、貯蓄できずに、取り崩しています」とかなしそうに言い、夫は「僕は今まで通りできているよ!」とニコニコ顔で答える

やれやれ。夫の収入は変わらず、担当する家計費が家賃など固定費なら支出にも変化がない。同じように貯蓄できて当たり前だ。なぜ、気が付かない!

私は、夫に家計の変化を説明し、負担額の見直しをするようにアドバイスする。子どもの誕生による家計の変化は、夫婦2人で対応すべきことだから。自分だけ貯蓄しないようにとも言う。

妻には「1人で抱え込まないで、これからは自分で夫に見直ししたいと言うこと。感情的にならないようにするには家計の変化を書き出して、紙を見ながら話し合いをすること。察してほしいなどと思わないで。それを望むのは無理だから」とアドバイス。家計会議だと思えば、書類(家計をまとめた表)が必要だ。エビデンスがあると、話が早く、けんかにならずにすむ。

住宅購入にあたっては、「現在の家計」「子ども誕生後の家計」など複数パターンの試算をもとに2人で話し合いをするのが必要不可欠だ。

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