「稀代の悪女と野心家」はメディアが作った人物像である

さらに不思議なのは、2人について悪い噂を語る人間はいるが、2人の友人や親しい人間が語った母子の普通の姿というものも、私が知る限りほとんど出たことはない。

母親・佳代は稀代の悪女。小室圭は眞子さんとの結婚を足掛かりに皇族入りを企む野心家。こうした2人の人間像は、週刊誌をはじめとするメディアが、本人たちからの反証を引き出そうともせずに“でっち上げた”架空のものだということを忘れてはいけない。

毎週毎週、母親・佳代の傲岸ごうがん不遜に見える写真を掲載し、元婚約者から借りたカネを返さない性悪女性だと喧伝された彼女の虚像が、われわれ読者の頭の中に刷り込まれていったのだ。

秋篠宮眞子さんは、あんな母親の息子と結婚すべきではないと、宮内庁に抗議の電話をかけた一般人や、雑誌やテレビで母子を批判しているコメンテーターたちは、メディアがつくり上げた虚像に吠えているだけなのである。

戦時中と同じように、多くのメディアが繰り返し間違った情報を流し続ければ、世論はそちらになびくという典型的な事例である。

本当に「すっごい良い方」なのであれば

かくいう私も、渦中の小室母子に会ったことはない。だが、少し前、中高時代に小室圭たちにイジメられていたという女性を週刊文春が取り上げた時、当時小室と友人だった男性が、週刊文春の記者にいった言葉が忘れられない。

「小室さんはすっごい良い方。それなのに悪いことを取り上げて記事にしようっておかしくないですか? 眞子さまが結婚したいと思えるくらいの人だってこと、もう少し考えたほうがいいんじゃないですか」

これまで私が見てきた記事の中で、唯一といってもいい小室圭肯定論であった。

そうだ、きっと小室圭の素顔は良い方なんだ。そうでなければ眞子さんが、3年以上の長きにわたって彼のことを信じ続け、結婚する意志を貫き通すなんてことはできはしない。

小室圭よ、早く帰って来て、国民の前で、君の「良い方」ぶりを披露してくれ。

そうすれば、メディアがでっち上げてきた虚像は粉々に砕け散り、批判の大合唱が祝福に変わるはずだ。

私はそう信じている。(文中一部敬称略)

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