洋上風力発電は規模に勝る欧州勢の草刈り場になる恐れ

ここにきてトヨタ自動車が取引先の部品メーカーに対して、再エネ活用による脱炭素の取り組みを要請するなど、大口需要家が再エネへのシフトを急いでいる。この受注合戦に乗り遅れるようだと、大手電力はいよいよ原発の再稼働に頼らざるを得なくなる。

政府はこの夏に中期の電源構成を決めるエネルギー基本計画を打ち出す予定だ。2030年の再生エネの比率を現在の18%(19年度)から30%台後半まで引き上げる見通しだが、自由化で期待した新電力は退潮の一途だ。

再エネで有望視される洋上風力発電も規模に勝る欧州勢の草刈り場になりそうだ。再エネを系統電力網に流す規制が不完全な状態にしたまま進めた自由化の中で、脱炭素政策を掲げたことで電力業界は混迷の度を深めている。

こうした状況下でアマゾンが日本の電力市場に進出すれば、インパクトは強烈だろう。東日本大震災以降、原発を含めたエネルギー問題を放置してきた政治の不作為のツケはあまりにも大きい。

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