「時代遅れですよ」は全く効かない

もうひとつの注意点は、相手がこだわっていることを突き過ぎないようにすることです。たとえば古いスタイルを変えない相手に、「時代遅れですよ」「時代は変わりましたよ」というのは絶対にNGです。こちらとしては、時代というワードを使って、つい焦りをあおりたくなりますが、頑なな人は、それまでこのやり方でうまくやってきたわけですから、いくらあおっても焦ることはありません。「時代が」と言われてもピンとこないでしょうし、それゆえ変える理由にはなりません。こんなふうに言っても伝わらないだけでなく、変に後味が悪くなるだけなので、やめておきましょう。

もし何か言うなら「会社の売り上げが伸びますよ」「いい人材が入ってきますよ」など、会社側のメリットを伝えるのがベターでしょう。ゆくゆくは、その頑なな人にもメリットがあるというところまでつなげられたらベストだと思います。

一度ならず、何度でもトライ

いずれにしても、頑なな人は一度の説得ぐらいでは、簡単に納得してくれません。こちらの熱意をはかっているところもあるので、一度であきらめず、タイミングを見計らって、「やっぱりこう思ったんですけど」と二度、三度、何度でも同じ話をしてみる。同じ業界の成功事例を見せて「こういうやり方があるみたいですよ」と言うのも効果があるでしょう。そのつど心が折れても仕方ないので、三度ぐらいは最初から織り込み済みでやっていきましょう。

とにかく、あらゆる方法を駆使して、自分がどれほどそれをやりたいのか、それをやることで周りがどうよくなるのかという熱意とメリットを伝えることが重要です。そうなると、たとえばリモートワークなら「じゃあ、週に一回からやってみるか」と頑なな人なりに妥協してくれるのではないでしょうか。それが頑なな人に提案するときの王道パターンです。