※本稿は、ひろゆき『ラクしてうまくいく生き方』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
「目標はトコトン低くしときましょう」
人間がなにかを達成するには、「目標」を立てることが大切です。でも、あまりに高い目標を掲げると、行動するのがおっくうになってしまうこともあります。
たとえば、ふだん運動していない人が「毎日10キロ走る!」という目標をいきなり立てた場合、雨が降ったり疲れていたりしたときに「今日はもういいや」となってしまい、そのまま挫折しがちです。
物事って「やりたいこと」「やりたくないこと」「どうでもいいこと」の3つに分類できると思うのですが、目標ってたいていは「やりたくないこと」なんですよね。やりたくないことに手をつけるために、みんなやる気を出す方法をあれこれ模索します。
でも、人間には「やる気」なんて本当は存在しないんです。脳科学者の池谷裕二さんも、「『やる気』という言葉は、『やる気』のない人間によって創作された虚構」と断言しています。
一方、人間には、やりたくないと思っていることでも、いったん始めてしまうとなんだかんだ気分が乗ってきて、その行動を続けてしまう習性があるんです。やる気が出たというのはこれを錯覚しているだけでしょう。
だから、目標を立てるときは、行動しやすさを重視して、トコトン低く設定してはどうでしょうか。僕も原稿を書きたくないときなんかは、「1行書いたら、1時間ゲームしていい」みたいな自分に甘すぎる目標を立てています。
そうやって1行書いてみると、あんがい2行、3行とスルスル出てきて、あっというまに原稿が完成するなんてことにもなったりするわけです。
「たくさん稼いでいる人は素直に応援しましょう」
残念ながら、いまの日本はがんばって働いても給料が上がりにくい社会です。
これは仕方ありません。一方、SNSを見ていると、株取引で成功した人や起業して大金を手に入れた人たちが目につくので、どうしてもそういう人に嫉妬してしまう人は多いんじゃないでしょうか。
けれど、そもそも儲けている人に嫉妬するのって、日本人のよくないところなんじゃないか、と思うわけです。たとえば年収3000万円の外資系企業に勤める会社員がいるとします。彼の所得税は約780万円で、住民税は約260万円。厚生年金と健康保険が合わせて150万円で、雇用保険は10万円弱。計算すると、手取りは1800万円ほどになります。
つまり、4割は国に持っていかれるんですね。普通の人よりも、金銭的には社会に貢献してくれているんです(これとは別に、株の配当金や銀行の利子の税率は20%と極端に低いので、それらで暮らしている真のお金持ちもいますが)。
それに、こういう人たちに対して、ムカつくから「節制すべき」と叩いても、普通の人には百害あって一利なしです。むしろ、こういったお金持ちには、がんがんお金を使わせて、余計なものまで買ってもらうべきです。こういう人たちに100円ショップで買った安いボールペンを、芯を変えながら一生使われるのは困るわけです。
10万円以上する高級万年筆を買って、ときどき失くしたり壊したりしては、また別の高級万年筆を買う……とかしてくれないと、困るんです。
稼いでいる人に対しては、財布の紐をゆるますために、おだてて接するのがいいと思います。嫉妬しても疲れるだけですから。