月9万円近い「妻費」は、遠方の哲学サロンに通うための費用

月9万円近くに達している妻費の内訳は、主に哲学系の学問を学ぶための費用。哲学者が説く「人生とは」「生きがいを持って生きるとは」といったことを学ぶため、師事する“先生”が開く教室に隔週で通っています。その教室は隣県だけでなく関東地方にもあるため、交通費もかなりかかります。

子どもをあきらめ、仕事もできず、人生どうしたらよいかと思ったときに読んだ本に影響され、ずっとこの教室通いを続けてきたそうです。徐々にその費用がかさんでいたのです。

この教室は、美和さんの「心のよりどころ」。しかし、現状を放置すると2人の老後資金が貯まらないことは明らかです。「お金が貯まったら、できれば大学に入りなおして哲学を学びたい」とも言いますが、そうしたプランも実現しづらい状況です。

今回、家計を相談しようと思ったことをきっかけに、美和さんの学問との向き合い方も考えていかなければいけないでしょう。

まず、将来の暮らしのために第一に優先すべきことは何か。人生や生き方について学んでいる美和さんに改めて問いました。すると、回答は「お金が不足しないように貯めること」と。

理由はお金がないと自分が思うような暮らしも、やりたいこともできないからということでした。「では、いま継続している学問とどちらかを諦めるなら?」と問いかけると、しばらく時間はかかりましたが「夫と暮らすためのお金を貯めること」と。

美和さんの中での優先順位は決まっているようです。そのため、次に支出が明らかに多い、美和さんの学問への支出について考えました。毎月9万円近くということは、月の支出の25%以上のコスト。支出の割合が大きいと感じていなければならないのですが、長年続けてきたせいでしょうか。「当たり前」という感覚になっていたようです。

教室に通うのを「やめられる・やめられない」など何度も考えが前後しながら、美和さんはしばらく葛藤しました。そして、最終的に関東の教室通いを断念することにしました。理由は2つ。コロナ禍であること、関東圏までは交通費を含めると費用が高くつくこと。節約と感染予防の目的をはっきりさせることで自分自身でも納得できたようです。

高崎さん夫婦のメタボ家計before→after

これだけで月5万6000円の支出減。そしてプランの見直しをしていないスマートフォンの契約内容の見直し(1万7000円減)、サブスクの見直し(2000円減)、無駄になりがちな食材の見直し(5000円減)などをし、月計8万円の支出削減に成功しました。その結果、月6万円を超える黒字家計によみがえったのです。