投資に関心を持つ20、30代が増えている。過去の投資ブームは主に富裕層や高収入層の話だったが、若者がコロナ禍の生活防衛や人生100年時代の長生きリスクのため投資を始めている。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、「必要以上に投資を怖がったり、逆に、お金にお金を生ませなきゃ損というムードに流されハイリスクな投資をしたりするのもダメ。投資を含む金融リテラシーを身につけるべき」と指摘する――。
「コロナ禍の生活防衛」ために投資という選択肢
生活のすべてがコロナに左右される状況が続く中、昨年から投資を始める人が増えている。しかも、その多くが20、30代といった若年層の投資ビギナーだ。
先日発表された2020年3月から2021年4月までのネット証券大手5社の口座開設数は、20代以下の若年層の伸びが顕著だった。ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)である筆者への資産運用の相談も増えている。
最近の投資意欲の高まりについては、コロナ禍特有の要因もあるようだ。何が起きるかわからない先行き不透明な今を痛感した人々が、万が一の場合に備えて、「お金にも働いてもらう=投資」の重要性を認識。生活防衛策の一つとして投資を選択している。
しかし、その一方で、頑なに「投資は怖い」というイメージを持つ若年層も少なくない。筆者は、今年4月から城西国際大学経営情報学部で「ファイナンシャルプランニング論a」の講義を担当している。その受講生を対象に投資に関するアンケートを実施した。
本稿では、そのアンケート結果から投資ビギナーの心理を知った上で、投資に対する心構えがどうあるべきか考えてみたい。