【田中】スケジュール的にはどのようなイメージですか。
【小寺】早くやりたいですが、まずわれわれ自身のサービスを拡充させるほうが先です。サブスクはお客様の利用後に車が戻ってくるので、中古になった車をどのように活用するのかをセットで考えなくてはいけません。われわれはトヨタの販売ネットワークがあるのでそのビジネスモデルをつくりやすいのですが、ホンダさんや日産さんの車を扱うとなると、やはり一緒に組まないとできない。そこにエネルギーがかかることは覚悟しています。
大企業でもスタートアップ的なやり方はできる
【田中】最後に、新しいビジネスに挑戦しようとしている読者にメッセージをいただけますか。
【小寺】KINTOを立ち上げるとき、スタートアップのみなさんから「大企業では新しいビジネスなんてできないでしょ」と散々言われましてね。僕はそれが悔しくて悔しくて。
新しいことに対する慎重さは、リスクの大きさに比例すべきです。ですから、大きくなった事業にさまざまなネガティブチェックが入るのは当然です。しかしKINTOがやってきたビジネスは本当に小さなもので、仮に大失敗をしても2~3年で畳めば誰も傷つかない。そのように発想を切り替えれば、大企業だって、トライ&エラーのスタートアップ的なやり方ができるはずです。
そう信じてやってきて、ようやくここまできました。そういう意味ではスタートアップの方々に少しだけ認めてほしいし、大企業の中で新しいことに挑戦しようとされている方々の後押しになればうれしいですね。
(構成=村上敬)