「今の世の中がくそつまらないのは、自分たちの消費の結果」
そして、ここから先がさらに重要なのですが、その意思は確実に未来に影響します。
最近、僕が会ってお話しした人で、ヤマザキOKコンピュータ、通称ヤマコンさんという1988年生まれの投資家がいます。
彼は社会問題について書いて発信する文筆家であり、バンド活動やグラフィックアートの活動もするアーティストでもある。
彼は『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』(タバブックス)という本の中で、「今の世の中がくそつまらなく見えるのは、自分たちの消費の結果でしかない」と言っています。
大量消費前提で同じようなものが街に溢れていて、つまらないと批判する。でも、その街の風景をつくったのは、それを買っている自分たちではないか?
ヤマコンさんの投げかけは、実に的を射ています。お金は「使って終わるもの」ではなく、むしろ「使うことから始まるもの」なのです。
なんだか、オオゴトのように感じてしまったかもしれませんが、別に気負う必要はありません。
君はこれまでと同じように、好きなものを買い続ければいい。
ただし、そこにちょっとだけ「意思をめぐらす」という意識を持ってほしいのです。
それが本当に欲しいのか? なぜあっちじゃなくてこっちなのか? 考えてからレジに持っていく。「なんとなく買う」のではなく、ちゃんと自分で決めて買う。その行動を繰り返すだけで、君が好きな未来が近づいていきます。
自分の意思で決められるものは、思っていたよりも多い
現金ではなく、電子マネーで買い物をすることが多いのなら、時々「履歴」をチェックしてみるのもおすすめです。
この1カ月間で自分が買ったものを振り返ってみると、案外、「あれ? なんでこんなもの買ったんだっけ?」と無意識の行動が見えてきたりもします。
そして、そのうち感じると思います。
自分の周りの生活のうち、自分の意思で決められるものは、思っていたよりも多いのかもしれないと。
食べるもの、着るもの、学校に持っていくもの。元手となるお金を自分で稼ぐことはまだできないかもしれないけれど、「何を買うかを選ぶ」という意思決定に参加できるチャンスはたくさんあります。
君の部屋にあるものと友達の部屋にあるものが全然違うように、人の数だけ、選択の方法は違う。
自分の人生と未来を自分自身で決めるという場面が、日常には無数にあるということです。
今その場面に立っていると気づいたら、君の意思をめぐらせてみましょう。