国民が危機感を抱かない背景には「不信感」がある

だからと言って、感染者との濃厚接触者などにターゲットを絞って検査をし、感染ルートを突き止めるという感染症学者の当初の作戦も、事実上破綻している。

ようやく民間のサービスなどもあって大学で学生が自由に検査できる体制を整える動きなどが出ているが、感染拡大から1年以上経ってそんな有様なのだ。一方で、ワクチンの確保やワクチン接種も進まず、英国や米国の接種率が4割を越す中で、日本は1%。そんな中で、感染拡大を防ぐには緊急事態宣言の再発出は遅すぎた、いや、3月の解除はするべきではなかった、ということになるだろう。

もっとも、菅首相や知事らがいくら厳しい言葉を発しても、国民の行動を変えることはできていない。宣言発出後も通勤時間帯の電車は混雑し、人流は減っていない。日本でも新型コロナによる死者はすでに1万人を突破した。にも関わらず、国民が危機感を抱かない背景には、政府の新型コロナ対策への不信感があるのだろう。

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