根拠の乏しい「ノネコ管理計画」が明らかにしたこと
「穏やかで、とっても性格がいい子が多い」と岩﨑さんは応える。岩﨑さんは、現在、預かっている猫も含めて、なんと20匹を飼育中なのだそうだ。
「奄美大島のノネコは他の猫に意地悪をしたり、飼い主を『自分のもの』と自己主張するような様子がない。むしろ子猫がいるとお世話をしてくれるんです。ええ、猫が猫の面倒をみるんです(笑)。もちろん、たまたまかもしれません。でも私は、奄美大島のノネコに自分の保護猫活動を助けられていると感じます」
ノネコが希少種を捕食している。だからノネコを、猫を奄美大島の森から排除しなければならない。国のノネコ管理計画はそうした目的で始まった。
しかし計画を実行するだけの理由、根拠が乏しいことを、これまで何度も私は記事に書いてきた。一方で、齊藤さんが話す「計画の根拠はともかく、猫のせいにするなら、猫は山にいないほうがいい」という言葉にもうなずける。
服部さんが作った譲渡型保護猫カフェには、奄美大島からやってきた猫(ノネコ)と、猫を愛する人(ボランティア)が集まり、わずか1年でみるみる拡大していった。
ここに来た猫は、みんな幸せ。
ボランティアの岩﨑さんが放った言葉が、心に響く。