男性保育士による性犯罪事件がたびたび報じられている。男性保育士は本当に必要なのか。埼玉県で認可保育園「元気キッズ」など23の事業所を運営するSHUHARIの中村敏也代表は「男性保育士は絶対に必要。人手不足を解消するだけでなく、子どもたちにとっても男女どちらもいたほうがいい」という――。
保育士と遊んでいる日本の女の子
写真=iStock.com/itakayuki
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男性保育士がいると心配ですか?

皆さんは男性保育士、と聞いてどんなイメージをもちますか?

残念ながら、男性保育士と児童への性的虐待を結びつける方は、少なくないのではないでしょうか。最近、そうした事件が相次いで報じられました。

たとえばベビーシッターと利用者のマッチングサイト「キッズライン」では、2019年と2020年にそれぞれ別の男性シッターによる強制わいせつ事件が起きました。また2020年2月には、千葉県内の保育所で男性保育士が園児に性的暴行を加えたなどとして逮捕されました。この事件は2021年3月に千葉地裁で判決が下り、男性保育士は懲役6年の実刑となりました。保育士は公判で、約10人の園児にわいせつ行為をしたと認めています。

こうした事件を聞けば、男性保育士に対して親御さんが不安になるのは当然です。それでも私は、埼玉県で保育園など23事業所を運営する経営者として、保育現場に男性保育士が必要だと感じて、積極的に採用しています。当園の取り組みを紹介させてください。

現在、保育所の運営で一番難しいことが何か、ご存じでしょうか。それは、保育士の確保です。ここ10年の間に、保育士の採用は年々難しくなっているのです。