その点、自社の発電所を所有しており、それを電力供給に生かしているENEOSでんきなどは、市場価格の高騰やインバランスに対する耐性があるといえる。
目先の安さだけで料金プランを選んではいけない
ただし、政府が発表しているように日本にも脱炭素の波が到来する。CO2を多く排出する発電所は退役を迫られる他、カーボンプライシングによってコストがかかるようになる。化石燃料由来の発電所を所有している企業はコストを価格に転嫁せざるを得ないだろう。
その点では、再生可能エネルギーの自社発電所や直接相対契約する再エネ発電所を手元にもつ新電力が、中長期的にはおすすめになってくるのではないだろうか。
そうした取り組みをしつつ、健全経営をしている新電力の中には、再エネメニューであっても地域大手電力よりも価格競争力があるプランを提供している企業も少なからず存在する。特に企業にとっては、カーボンプライシングの導入が確実視される中、再エネメニューを提供する企業の電力プランに切り替えることが、結果、コストを抑えることにつながる。ESG投資の呼び込みやSDGsの文脈でも企業価値を高めることも可能だ。
消費者にとっても、目先の安さではなく、そうした脱炭素の潮流を踏まえて電力プランを選択することが重要な時代になってきている。