内閣不信任案の提出を「先延ばし」にする野党の体たらく

福山哲郎幹事長は3月29日、「このコロナの状況で解散できるなら、いつまでも受けて立つ」と発言。強気にみえるが、「まさかコロナ禍での解散はないでしょうね」と探っているようにも聞こえる。

野党は内閣不信任決議案は温存し、まずは武田良太総務相の不信任決議案を提出。4月1日に否決されると、田村憲久厚労相に照準をあわせ、同省職員23人が銀座で深夜会食していた問題を追及して辞任を求めている。一連の戦術は、解散の引き金になりかねない内閣不信任案の提出を先延ばししていると言われてもしかたがない。

コロナ感染が拡大し、スキャンダルや霞が関の不祥事が続く4月。しかし、解散をめぐる与野党の攻防を見る限り、主導権は与党が持ち続けているのは明らかだ。衆院解散までにこの構図を崩さない限り、野党の浮上はない。しかし、その道は極めて厳しいと言わざるを得ない。

3月20、21の両日に共同通信社が行った世論調査では自民党の支持率は38.3%。立憲民主党は7.4%。5分の1にも満たないのだ。

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