追求する順番を間違えると不幸になる
「健康」「つながり」「お金、成功」。その全てが手に入ればいいなあ、とあなたも思ったはずです。しかし、「3つの幸福」の全てを手に入れている人は非常に少ない。なぜでしょう? それは、「3つの幸福」を得るためには、「優先順位」があるから。そして、ほとんどの人がその優先順位を間違えているから、幸せになれないのです。
ズバリ結論から言いましょう。セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番。これが正解です。ドーパミン的幸福は一番最後です。この順番を間違えると、幸福になるどころか、むしろおもいっきり不幸になる可能性もありますし、私はそうなった人を山ほど見ています。
何千人ものメンタル疾患の患者さんを観察して思います。メンタル疾患の患者さんは、非常に真面目で、勤勉です。風邪をひいたくらいでは、有給休暇をとらずに、無理してでも出社するタイプ。残業が続いても不満も言わず、とにかく必死に頑張る。メンタルが不調になっても頑張る。うつ的な症状が出ているのに、それでも頑張る。精神科を受診して「中等症以上のうつ病と診断されるので、2週間自宅療養してください」と言われても、「自分がいなければ、今のプロジェクトは進まない。仕事は休めません」と言います。
よく言えば「真面目」「勤勉」「頑張り屋」「仕事熱心」、悪く言えば「不器用」「融通が利かない」「柔軟性がない」ということ。自分の健康を犠牲にしても、仕事を頑張ろうとするのです。
「成功」を「健康」より重視すると…
自分の健康を害して、なぜそこまで頑張るのだろう?
もっと健康を大切にし、睡眠や運動の時間をしっかりとって、盤石な「健康」を築いてこそ、最高のパフォーマンスを発揮できるのに。そして仕事でも認められ、職場でも信頼される人になれるのに。
そこで私は気付きました。セロトニン的幸福をないがしろにして、ドーパミン的幸福を目指すと、メンタル疾患や身体疾患に陥るのだと。幸福になるどころか「不幸」になってしまうのだと。
「健康」に留意し、セロトニン的幸福を達成しながら、緩急をつけながら頑張る。そうすれば簡単には病気にはなりません。単に病気にならないというだけではなく、脳や身体のパフォーマンスが今まで以上にアップできれば、圧倒的に大きな結果——仕事の成功やお金、地位、社会的信頼、名声などドーパミン的幸福を得られるのです。
セロトニン的幸福が先。ドーパミン的幸福は後。「健康」(セロトニン的幸福)を優先して頑張る人が、最後に本当の成功、豊かさを手に入れることができるのです。