男性従業員が女性客を接待する「ホストクラブ」。そこで働く男性=ホストは、さまざまなメディアで「大金が稼げる」というイメージが強調される。しかし、それは一面にすぎない。歌舞伎町で幅広い人脈を持つ大学生の佐々木チワワ(@chiwawa_sasaki)さんが、「底辺ホスト」の懐事情を取材した――。
パーティーでシャンパンタワー
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下位のホストは普通のサラリーマン以下の収入

豪華な店内で繰り広げられる、派手なシャンパンコール。数百万、数千万円単位で貢がれることもある「ホスト」とはどのような存在なのか。

年間2億円超を売り上げるなど、年収が億レベルのホストがいる一方、大半のホストの売り上げは月100万円に満たない。収入は歩合制のため、下位のホストは普通の会社員以下の収入で暮らすことになる。

昨年の2月、筆者が歌舞伎町で取材相手のホストを探している時、ツイッターに一通のDMが届いた。

「僕、歌舞伎町で一番貧乏なホストの自信があります」

Aさんは、ホストとしての営業を終えた後、路上で弾き語りをするという。興味を持った私は、深夜営業の珈琲店で話を聞くことにした。

Aさんは茨城県出身の23歳。高校を卒業後、4年間地元のパチンコ店に正社員として勤務。「音楽を演奏できるバーを開業したい」という夢を諦められず、接客業を勉強しながら資金作りをできるという理由でホストに転身。上京してホストを始めて4カ月になる。

最初の面接先としてなんとなく選んだ店舗でそのまま入店を決めた。オフの日は歌舞伎町の路上で弾き語りもする。それも、歌舞伎町で自分のネームバリューを作るためだ。歌舞伎町の顔になれば、ホストでの売り上げがついてくると考えた。「今はブランディング重視で活動している」と話す。