② 成果主義が顕著に

2020年の新型コロナウイルス感染症対策として、リモートワークを導入する企業が一気に増え、広く定着しつつあります。リモートワークとは、PCやタブレット、スマホなどのWebツールを活用し、会社以外の場所で働くことです。テレワークも同じ働き方を指し、自宅で働く場合には在宅勤務とも呼ばれます。

コロナ禍以前は、リモートワークができるのはITやWeb、広告・マスコミ業界など、一部の業界・職種に限られている印象がありましたが、現在では幅広い業種に普及し、対面でのリアルコミュニケーションが不可欠な飲食、医療、介護、実際にモノを取り扱う運送・建築など一部の職種以外は、リモートワークが可能という認識に変わってきています。

このリモートワークの浸透によって起きた大きな変化のひとつが、社員に対する評価の仕方です。

コロナ禍以前の社会では、ただデスクでPCに向かっていたり、外回りに出かけているだけでも「あいつは頑張っている」という印象を与えることができ、その印象によって社員を評価している上司も少なくありませんでした。

しかし、リモートワークでは社員の働く姿を直接見ることができません。となると、上司は「成果」で評価するしかありません。「どう働いたのか」ではなく、「何をしたのか」が最も重要な評価の指標となります。

部下の育成力が問われる時代になる

一方、部下にとっても上司の働く姿が見えなくなります。「背中を見て育て」という育成方法は成り立たなくなり、管理職のマネジメントスキルがより厳しく問われるようになります。そして、それが「成果」として評価に直結します。

コロナ禍による経済の悪化、少子化による採用難などの社会変化によって、管理職にとって若手の育成はこれまで以上に重要なミッションとなります。

経済が右肩上がりで年功序列が成立していた時代では、部下の育成にそれほど熱心に取り組まなくても会社が回っていました。ダメなものもダメといわず、みんな仲良く、「和をもって尊しとなす」という風土でも、それなりに人が育ち、給料も上がっていきました。しかし、もはやそういう時代ではありません。

コロナ禍以降、多くの企業が、成果をより重視して年収を決める「成果主義」に大きく舵を切ろうとしています。