「2時間後に起こして」と言い残して
2003(平成15)年10月18日、ホークはフロリダ州インディアンロックス・ビーチに購入したばかりの新居で引っ越しの荷物をほどいていた。ちょっと疲れたので「2時間後に起こして」と、(編集部注:1995年に結婚したフィットネス・インストラクターの)デイル夫人に伝え、軽いナップ(昼寝)のためにベッドルームに入っていった。そして、そのまま天国へ逝ってしまった。46歳だった。
デイル夫人はすぐにミネアポリスのアニマルの家に電話をかけた。アニマルはまるでそれがわかっていたように冷静に“悪い知らせ”にうなずいた。大長編ドラマ『ザ・ロード・ウォリアーズ』は唐突に最終回を迎えたのだった。
長生きして幸せな余生を送ったととらえていいのかどうかは、いまのところなんともいえない。アニマルは60歳の誕生日を迎えてから10日後、2020年(令和2年)9月22日、旅行先のミズーリ州オセージ・ビーチのホテルで急死した。いまの奥さんのキムバリー夫人との結婚10周年のお祝いとして、オーザークス湖でのバケーションを楽しんでいる最中だった。
ディナーを終えてホテルの自室に戻ってきたアニマルは「ちょっとよこになる」といってベッドに入り、そのまま旅立った。奥さんがすぐそばにいてくれて、眠ったまま天国へ行ってしまうというシチュエーションそのものは、相棒ホークのときとまったく同じだった。Oh, What A Rush.