独学を長続きさせるにはどうすればいいのか。脳科学者の中野信子氏は「ひとりで勉強し続けていると、認識にゆがみが生じる場合がある。嫉妬心を捨て、『昨日の自分よりはマシ』と思える程度がいい」という――。

※本稿は、齋藤孝・中野信子・山口真由『人生の武器になる 「超」勉強力』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

『人生の武器になる 「超」勉強力』を出した中野信子さん
撮影=塚原孝顕
『人生の武器になる 「超」勉強力』を出した中野信子さん

「己を知ること」が、学びの9割をも左右する

自分にとって効果的な学びをするためには、「己を知る」姿勢が欠かせません。

ただ、自分の特質や強みに若い頃に気づける人もいれば、遅くまで気づけない人もいます。人それぞれよいところはあるはずですが、過度に不安を感じがちな性格だったり、まわりの環境の圧力があったりして気づけない人もいます。それは、とてももったいないことです。

本来独立してやっていける力があるのに、長年同じ会社で働いてきた体験や環境のために、自分の本当の願望に気づけなかったり、会社を辞めることに強い不安を感じたりします。

逆に、組織のなかのバイプレーヤーとしての適性があるのに、起業ブームに煽られ、つい主役をやろうとして会社を辞めて、失敗してしまう人もいます。

これらはすべて、自分の適性を見誤って起こるミスと見ることができます。

わたしは、「己を知ること」が、学びの9割をも左右すると考えています。みんな自分をもっと知るべきだし、自分で自分を評価できることが大切なのです。

わたしの場合は、比較的早い時期にそのことに気づいたのが強みとなりました。学生時代、いわゆる一般的なコミュニケーション能力が不足していたので、「わたしはこの社会で生きていけるのだろうか?」と自らの行く末を危惧していました。

だからこそ、早いうちから「自分にできること」を探し、そのなかで、勉強や研究という道を見つけられたことがわたしを守ってくれたと思います。

まずは、まわりではなく、自分の特質や強みに目を向けましょう。それを軸に考えていけば、大きく道を踏み誤ることは少なくなるはずです。