地味な人ほどおもしろい話がしやすい理由

最後に、「暗そう」「大人しそう」「感情が読めない」などと、見た目や話し方の雰囲気などから、他人に地味だという先入観を持たれやすい人にお伝えしたいことがあります。それは、あなたは超ラッキーだということです。

なぜなら、地味な人というのは、言い換えると、事前情報が少なくて聞き手にとってキャラクター想定がしにくい人ということだからです。

事前の情報が少ないと、「話し手はこんな人だろう」という聞き手の事前の想定と、実際の話し手の感情のズレが大きくなるのは当たり前ですよね! だから地味な人の場合は、ほんの少し自分のリアルな感情を聞き手に伝えるだけで、「ズレたカツラ理論」が簡単に成立するのです。

これは非常に大きなアドバンテージです。だからほんの少しでいいので、自己開放をして自分の感情を相手に伝えてください。すると、自分が思った以上に、相手にとっておもしろい話ができるはずです。

この時、活きてくるのが「相手の笑いを詮索しない」「想定外の事態には『え、そう?』で対応」の2つのテクニックです。自分の感情を出すことに慣れていない人は、想定外の所で笑われたり、ツッコまれるとパニックになりがちなので注意してください。

地味な人は「すごい人」!

くわえて、これはテクニックというより心構えの問題ですが、「地味な人はすごい人」と思っていた方がいいと思います。

世の中を見回すと、見た目が地味そうに見える人でも、おしゃべりな人はたくさんいます。あるいは、職場では地味なのに、プライベートでは目立って生き生きとしている人がいたりと、そもそも「地味」とは、とても不思議な現象です。

ですが、私の教室には「自分のことを地味だという人」が多くやってくるので、共通点を見出すことができました。まずそういう方は、とにかく、「自分について、他人が興味を持つわけがない」と主張し、自分の感情を口にするのをとても怖がります。

そして個性が伝わりにくい、客観的な事実や行動だけを伝える話し方を好みます。そうやって自分の感情がなるべく伝わらないように話すことを、なぜかみなさん口を揃えたように「無難な会話」と表現しがちです。