【方法6】いろんなものを比べさせよう
食べ比べも分析的に考える力を鍛えるというのは石田さんだ。
「スイーツ好きな子だったとしたら、たとえば『いま食べているパフェと、先週食べたパフェのどっちがおいしい?』『具材はどう違う?』などと聞いてみるのです。すると子供は、どこが違うかを考え始めます」
この違いに気づく力こそ、読解力なのだという。
「国語の説明文ではAとBはどう違うのかが問われ、物語文だったら、主人公の気持ちが前と後でどう変化したのか問われます。いずれも『違い』がわかることが大切です」(石田さん)
子供が興味を持っている分野を批評させるのもいい。たとえば、「鬼滅の刃」のファンならキャラクターそれぞれの魅力の違い、電車好きな子なら車両のデザインの美しさ、昆虫好きならセミの生態を質問してみよう。分析力や観察力、表現力が鍛えられそうだ。
【方法7】マンガでイメージ力を鍛える
「長文読解の出来は、文章を読んだ時、どれだけ情景が浮かぶかで変わります。たとえば、神社への参拝の様子が描かれていたら、お賽銭箱の前で手を合わせる人の姿が浮かぶかどうか。主人公の行動を四択で聞くような問題では、情景が浮かべば解けるものが多いです」と澤井さん。
そのために有効なのが、マンガだ。
「文章と絵がセットなので、言葉とイメージのストックが増えます」
歴史や戦争などの難しいテーマも、マンガで親しんでいれば、情景が浮かびやすくなる。さらに澤井さんはおもしろい方法を提案してくれた。
「子供の頃、母親の美容室に付き合うのが退屈だろうと、マンガを買ってくれたんです。それがなぜか、『ドラゴンボール』4巻。3巻より前を読んだことがなかったので前提が分からない(笑)。だからこれまでの話を想像しながら読んだのですが、これって問題文が抜粋して出される国語の読解問題と同じなんですよね。想像力を強化したいなら、マンガは途中から与えてみてましょう」