【方法1】ハードルが高い読む作業を代行

普段は本を読まない子も、読み聞かせをしてもらうのは大好きだ。石田先生は、「まずは文章の内容を理解し、興味を持たせるために、読み聞かせをしましょう」と提案する。

というのも、子供にとって「文章を読む」という行為は非常にハードルが高いのだ。

「多くの親は子供が文字を覚えたら、自然と文章が読めるようになると思っていますが、それは間違いです。言語能力を習得する順番は、まず『聞く』から始まります。次が『話す』で、『読む』はそのあと。そして、聞くことと話すことは日常生活にありますが、読むことはあまりないので、子供にとって大変な作業なんです」

読み聞かせというと絵本が浮かぶが、小説や学校のお便り、ゲームのルールブックなど、必要があれば何でも読んでやるといいという。

子供に本を読む親
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「僕の塾では、長文読解が苦手な子に問題文や設問を読み聞かせをしています。ひとりでは問題が解けない子も、読み聞かせすると正解できるようになります」

読み聞かせをする際には、質問を織り交ぜることがポイントだ。

「読み聞かせをしても、内容に興味を持てないと子供は聞き流してしまいます。そのために有効なのが質問を投げることなんです」

たとえば、小説を読み聞かせした時に、区切りのいいところで止めて「こういう時、あなたならどうする?」と質問を挟むのだ。

「質問を投げかけられると考えながら聞くようになります。こうして本に書かれている中身に興味を持つようになると、自分で読みだすようになります。そうなったら少しずつ読み聞かせする量を減らしていけばいいのです」

注意点としては、最初は正解がない質問をすることだという。

「正解がある質問だと、子供はテストされているように感じてしまいます。『あなたならどうする?』『どう思った?』と、自由に答えられる質問から始めていくと、いずれ、国語で問われるような主人公の心情についても考えられるようになります」

【方法2】刑事ドラマで筋道を考えさせる

「刑事ドラマは、論理力を鍛える最強の教材」と言うのは、澤井さんだ。その理由は、犯人を考えるうえで論理展開を強く意識するようになるからだという。

「僕が大好きな推理ドラマ『古畑任三郎』で、こんなシーンがあるんです。夕方、捜査である人の家を訪ねた警部補の古畑が、飲んだばかりの栄養ドリンクの瓶を見つけて、その人が犯人の可能性が高いと思います。本来なら、夕方は仕事が終わってくつろぐ時間。それなのに栄養ドリンクを飲んでいた→警察が自分のところにくることがわかって、用意をしていた→事件の真相を知っているに違いない、と考えたからです」

古畑任三郎に限らず、事件が起こり、その背景を解き明かしていく刑事ドラマには筋道を考えるポイントが随所にある。推理を楽しむには、家族で観るといいという。

両親とテレビを見ている娘
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「うちもそうでしたが、CMに入った途端、家族で○○が怪しいちゃうか、いや△△だ、なんて激論になるんです(笑)。なぜ、そう思うのか理由を言い合うと、自然と筋道を立てて考える力が磨かれます」

家族みんなで楽しめる番組を探してみよう。